Ep. 157 Gown and Beast (ムート,みずうみ,あらB)
2026年05月05日
内容紹介
ムートさん、みずうみさん、あらBで近況、課題図書「赤と青のガウン」、お便り、文系大学院と理系大学院の違い、ウメハラvsメナRD獣道、おすすめコンテンツ、Myミームなどについて話しました。
出演者
ShowNotes
00:00:00 近況
- 東中野の雑談で収録。ムミさん・みずうみさん回(Ep. 146)に物申すというテーマでムートさんとみずうみさんを呼んだ
- 渋谷のSaucony実店舗でランニングシューズを買ったついでに生の伊良コーラ(イヨシコーラ)を飲みに行ったら、観光客ムーブで店員さんから英語で対応された(あらB)
- 4月27日で33歳に。最後に出たのが去年5月のモラズさん回で、半年とは言わないまでも意外と久しぶり(ムート)
- 4月でD2になった。D2は卒業までの時間が短くなってきている感覚で微妙な学年(みずうみ)
- 文系の博士は3年で卒業する空気がそもそも薄い、人文系は特に長い
- ムートさんの声がうらやましい。社会人になってからクライアントワーク越しでも自信があるように聞こえると評価されて得をしている
00:19:19 課題図書「赤と青のガウン」
- オックスフォード留学した彬子女王のエッセイ。1年の留学から戻って修士・博士まで取りに行き、計6年腰を据えて書いた留学体験記
- 付き人が常にいる生活から留学で初めて一人になった、という導入には納得感が薄い。テーマ選び(日本美術の西洋での受容)も皇族の人としての立場と相性が良すぎる
- JR先生をはじめ学長レベルの先生が高頻度で指導に出向いている描写は、プリンセス特権が効いていそう。文系で外国人にここまで見てもらえることはまずない
- 博論執筆の章では妥当な苦労をしている。書きたかった部分を全否定されてから少しずつ協力を取り付けていく過程は、博論を書く側の苦労として読み応えがある
- オックスフォードはサブの指導教員を別大学から共同研究者的に持つルールがあるらしく、人文系では第三者意見が入る仕組みとして良さそう
- 研究の進め方として、彬子女王は材料を集めてから仮説を立てるボトムアップ型。トップダウンのほうが博論には向くが、ボトムアップでも学生の発見を後で論文化する形は文系の先生もよく取っている
- イギリスは皿を洗剤入りの水でジャブジャブ洗ってすすがずに乾燥させる文化がある。みずうみさんは高校時代にイギリス留学中に目撃して衝撃を受けた
- イギリスの女子校でカップケーキの上にマーガリン100g+砂糖300gのバタークリームを塗れと言われ、塗らずに従ったエピソード(みずうみ)
00:44:00 お便り
- ラジオネーム「おはよー」さんからのお便り:Ep. 146で社会人修士についての質問を送った件、みずうみさんが社会人修士だとは知らず失礼しました、というフォロー
- 関連してムートさんが大学院時代の同期だった社会人修士・N村さん(40代女性、PMバリバリ)の話。修士論文の提出期限17時に間に合わず、ムートさんが先に走って事務に頼みに行ったが結局間に合わなかった「光のムート先輩」エピソード
- 社会人修士・博士は研究室に来る時間が物理的に取りづらい。ゼミ後の飲み会には誘えないし、社会人だから全おごりされる気まずさもある
- ラジオネーム「ムミ」さんからのお便り:「ところで私は数理科学の博士号を持っているのですが」というインパクトのある書き出し。タコ部屋のような院生室でひだまりラジオを聴きながら修論を書いていた話
- ムミさんが当時体重100kg近くに膨れていてもツッコまれない属性フリーな雰囲気が良かった、という話に対して、引用されたXポスト(小学生は属性や感情を排除してフラットにペアを組む訓練を学校で受けている、という主張)は嘘っぱちでは?という反応(あらB・ムート)
- みずうみさんはムミさん回を聞いて、ムートさんと一緒のときの「ちょっと癖のある地のムミさん」を引き出せなかったことに悔悟の念を感じた、と発言
- ムートさんは逆に「光のムミさん」を見て、よそゆきのお母さんを見た息子のような気まずさを覚えた
01:18:15 文系大学院と理系大学院の違い
- 指導の仕方が全然違う。文系はあまり指導されないがち、工学・実験系はテーマももらえる。数学は基本もらえない(自分でやらないと意味ないよねという前提)
- 哲学だと、教授の専門がカントで、指導される側の学生はデリダ以降の現代哲学、というように時代が違うと指導が成立しづらい
- 入試の段階から違う。文系は研究計画をディフェンスできるかで合否が決まり、テーマで苦しむことが多い。理系はテーマがもらえる代わりに「3匹のポケモンから選ばせるが全部弱い」パターンの落とし穴がある
- 学位取得の重さも違う。人文系の博士は「神の資格」とされていて、退任時に与えられるケースが多かった。指導教員自身が博士を持っていない例も普通にある
- 文系博士は5年で卒業できたら良い方、という雰囲気は本当に良くない。給料がもらえなさすぎて人道的でない
- 文系博士はパーマネントポストに即着任するルートがあり、「ポスドクでつないだほうが生産的では」と思える歪み。早めに博士が取れるか取れないかをはっきりさせるべき
- 学振の博士課程支援は3年で出ることが前提の制度。オーバードクターになった文系学生は実家が太いか、限界ギリギリパワーで講師バイトで凌いでいるのが実態
- 学費の納入が遅れると黄色→赤→黒の封筒が順に来る、というM文系の先輩のエピソード(ムート)
- 学会出張の予算事情も違う。文系は教員ですら宿泊費・旅費・参加費が自腹のことが多く、理系で予算が出ている学生のSNS(学会ついでの観光投稿)と衝突しがち
- 国立だと予算の98%が理系、残り2%を全文系学科で分け合うレベル。研究室の予算で運営される研究室というのが文系では成立しない
理系の女性割合の低さに伴う不具合
- 学会の懇親会で30代前半の研究者に話しかけると「実は僕、結婚しててみたいな」と言われることがこの2年で5人。研究室で話しかけても「彼女がいて」と言われる
- 男女平等で同じように働かせる前提が、現実の長時間労働や子持ち/子なしの違いと整合せず歪んでいる、という民間企業側の悩み(ムート)
- 子持ち・介護など働き方への配慮が必要な人かを上司が直接聞きたくても聞けない難しさ
- アカデミアの予算執行は産休・育休中は止まる。教員自身が休んでも院生は実験を続けているので予算が止まるのは構造的に変。指導実績も委託先に持っていかれる
- 女子枠について。後輩に100%実力で殴って入ってこいと言えないのは辛いが、ルールとしてあれば個人としては使うのが合理的
- 文系のソクラティックメソッド的な研究スタイルだと、ゼミでの口頭応答で実力が可視化されるので性別バイアスが入りにくい。理系は実験データを積み上げて説得するまでが長く、表面的な評価になりやすい
02:10:51 最近の気になるニュース・トピックス
- ウメハラ vs MenaRD 獣道。3ヶ月の準備期間を経て、十先(先に10勝した方が勝ち)で1対1のガチンコ対決
- 結果はメナRDが10-6で勝ち。ただし16戦中13回1本目を取っているなど、45歳の梅原がかなり健闘した
- 2-5から3本連続で取り返して5-5に追いついた瞬間、最前列のプロゲーマーおじさんたちが乙女のようになっていた
- ゲームセンター世代の最後の生き残り、格ゲー業界のパイオニアとしての梅原に、おじさん勢の万感の思いが乗った歴史的イベント
- 梅原本人は「これで終わり、引退しよう」と思っていたが、やってみてまだやれるかもと現役続行を表明。ただし、終了後に休んでいる時点で情熱が落ちている証拠だから引退する、という配信者の分析もある
02:24:36 おすすめコンテンツ
- ポケットモンスター バイオレット:ハートゴールド以来のプレイ。ラルトス・モココ・イーフィを厳選しながら遊んでいる。偽竜のヌシのエリアにいるシャリタツ達が「オレヌシ」「オスシシ」「スシスシ」と言うのが面白くて、研究中に真似をしていたら先生に怒られた(みずうみ)
- Pokémon Champions:Wii以来となる対戦専用ソフト。スイッチ2でプレイ可能。メガ進化環境で火力インフレも収まり、平和な対戦環境(ムート)
- BUTTER 柚木麻子:イギリスでベストセラー、賞も取った。木嶋佳苗容疑者をモチーフにしたサスペンスという立て付けだが、実態は美味しい食べ物の描写と社会問題を埋め込む文体が魅力(みずうみ)
- ギリシャ語の時間 ハン・ガン:人間の孤独を、薄いビニール袋のような意識同士が触れ合うイメージで描く。「BUTTER」とは対照的に、口や食事をあまり描かない作家性(みずうみ)
02:34:15 最近気になるMyミーム(シーズン6新コーナー)
- 「ギュられる」(ム):シンギュラリティに取って変わられる、の意。AIに仕事を取られた状態。「ギュが始まってる」「ギュが来る」など派生形がある
- 「平成女児」「シール交換」(あらB):平成一桁ガチババアという流れと合流して、シール交換が再ブームになっているらしい
- 「メロい」(ム):去年から流行っている。可愛いに包含される語感だが、外見ではなく文脈や生き様に対して使われるケースが多い印象。さっきの梅原に対する気持ちはかなりメロいに近い
02:37:36 宣伝・アナウンス
- みずうみさん推しの映像作家ユニットOh Hey Do(東京藝大卒の3人組監督チーム)が活躍中。短編アニメ「田舎星(The Countryside Planet)」がやまなしメディア芸術アワード2025-26入選、第17回下北沢映画祭準グランプリを受賞。2026年1月24日(土)にSUGAR CUBE 荻窪で初の上映会を開催
- ご感想は #arkbfm まで!